(続)どうして探偵から弁理士に?

なぜ、探偵から弁理士になったのか?(最終回)

 

 

探偵弁理士との接点についてお話ししてきましたが、

この回が最終回になります。

 

少し長いですが、お付き合いくだされば幸いです。

 

最終回では、

電気系資格弁理士資格との接点についてご紹介したいと思います。

 

 

私が派遣時代に最後に取得した資格は、

電気通信主任技術者という資格です。

 

電気通信主任技術者とは、

電気通信ネットワークの工事、維持及び運用の監督責任者のことをいいます。

 

 ※電気通信主任技術者について、もっと知りたいという方はコチラをご参照ください。

 

 

この資格を取得するための国家試験は、それほど簡単ではありません。

 

私の場合、確かに勉強もしましたが、気合で合格できたと思っています。

 

何せ、受験料が18,000円と、当時の私の1か月のお小遣い(1万円)では、

到底賄える金額ではなかったので(笑)

 

何が何でも一発で合格しなければならなかったからです。

 

 

しかしながら、苦労して合格したものの、

この資格が役に立つのは、一部の通信関連企業の重役クラスの方で、

 

自分のような派遣業のペイペイがもっていても、

○○の蓋にもなりません(^^;

 

実情を知り、悶々としていたところ、

 

妻から、

「ねえ、弁理士っていう資格があるよ。受けてみたら?」

と言われたのです。

 

妻は、単純に稼げる資格だというところだけに目をつけて、そう薦めてきたのですが、

 

私は、弁理士は、理系出身者しか受けられない資格だという

固定観念(偏見)を持っていたため、

 

文系出身の私には

無理でしょ」と一蹴していました。

 

しかし、何気なく

受験資格を調べてみると、

理系出身じゃなければならないという条件など、どこにも書いてありませんでした。

 

これで、自分の中の第一の壁を乗り越えました。

 

その一方で、弁理士の仕事について何も理解していなかったので、

この機会に調べてみました。

 

すると、発明やアイデアを文章に書き起こす仕事(当時の理解)だということを知りました。

 

文章といっても、探偵時代に書いていた報告書とは訳が違います。

 

発明やアイデアを書き起こした文章を明細書といいます。

(明細書といっても、会計上の明細書ではありません。)

 

 

明細書は、発明を考えた技術者(発明者)だけでなく、

他の弁理士、弁護士、裁判官など、あらゆる人に読まれる文章なので、

 

基本的には誰が読んでも、解釈が変わらないよう、記載しなければなりません。

 

弁理士の仕事の奥深さを知ってしまった私に、俄然スイッチが入りました。

 

しかし、第二の壁が立ちはだかります。

 

合格率です。

 

ちなみに、私が合格した年の合格率が9%でした。

 

100人受けて、9人しか合格しません。

単純に数字だけ見れば、狭き門です。

 

そのうえ、試験制度がハードです。

一次試験(択一式の短答試験)、

二次試験(記述式の論文試験)、

三次試験(口述試験

3つの関門をくぐり抜けなければなりません(^^;

 

しかも、論文試験は、

必修科目選択科目の、2つを受けなければなりません。

 

しかも、合格するまでに、平均的に3年~5年かかるという

ヘビーな試験だということも聞いていたので、

 

試験制度合格率を聞いただけで心が折れそうになります。

 

 

ただ、ここで、少しだけ光明が見えました。

 

先に述べた「電気通信主任技術者」の資格保持者は、

論文試験のうちの選択科目免除される

 

というのが、私にとってのグッドニュースだったからです。

 

しかし、それを光明だと思い、弁理士試験合格に向けて、見切り発車をしてしまった私を、

この試験に潜む魔物が襲い掛かります。

 

私の場合は、まず最初に一次試験の洗礼です。

 

択一式といっても、

合計60問のマークシート問題を3時間半ですべて解答する必要があります。

 

一次試験の合格基準は、毎年変動しますが、

私の1度目のチャレンジのときは、60点満点中、39点がボーダーラインでした。

 

そして、1度目は惜しくも、38点の1点足らずで撃沈(^^;

これで初戦敗退(^^;

 

2年目のチャレンジに突入します。

 

2年目は、一次試験の反省も踏まえた上で、

 

この弁理士試験のヤマ

二次試験論文試験(必須の方))にあるということを

受験予備校の某Wセミナー(元Tック)の専任講師から聞いていたので、

 

論文試験対策に的を絞りました。

 

初年度も、論文試験の勉強はしたのですが、

付け焼き刃では

とても歯が立たないことを理解していましたので、

 

この論文試験を乗り切るべく、

徹底的にやってやりました。

 

名付けて、「ゴリ押し作戦、習うより慣れよ作戦」です。

 

俗に学ぶは、

まねぶ」と言われます。

 

もっと言えばTTPです。

 

 

私の場合もこれを実践しただけです。

(怒られそう(^^;)

 

受験予備校の専任講師から「模試での優秀答案(模範答案)の書き方を盗め」

と言われていたので、

 

模範答案を写すかのように

徹底的にパクりました。

 

写経ですね。

 

そして、ある程度、書き慣れてきた頃に、

 

早朝の1時間半で「特許・実用新案」の論文(名付けて自分模試)を、

 

帰宅後の2時間で「意匠」「商標」の論文(自分模試)を

絶対に書くと決めました。

 

これを毎日欠かさず、やりました。

 

論文試験の前日までに、合計289通の論文を書く練習をしました。

 

このおかげで、筆力(論文を書く力)があがりました。

 

 

本試験では、この練習の成果で、考える方に時間を十分に使えました。

 

 

本当に難しい試験なのですが、

私の場合、ある意味、楽に感じました。

 

上の自分模試では、本試験の時間より短い時間で練習していたので、

 

書いた答案をゆっくり見直す時間をつくることができたからです。

 

結果、2年目に、一次試験、二次試験を突破することができました。

 

ちなみに2年目の一次試験は、41点で通過しました。

 

 

これで良い気になっていたのか、

 

三次試験魔物が猛威をふるいます(^^;

 

正直、三次(口述)試験対策はほとんどやっていませんでした。

 

口述試験は、2人の試験官から口頭で出題される質問に

テンポよく正解を回答していかなければならない、

厳しい試験です。

 

設問によっては、法律の条文をそらで言えないと正解とみなされない場合もありました。

 

受験仲間の間では、密室リンチやラストダンジョンなどと揶揄されていました(笑)

 

このように、当時、口述試験

激ムズ化(とても難しくなっているの意)しているとは聞いていましたが、

 

私の場合、準備不足のため(要は舐めていたので)

試験本番では、頭が真っ白で、まともに回答できませんでした。

 

終了後、「絶対に合格できていないだろう、広島から東京まで来て何をしてんだろう」と

東京タワーを尻目にトボトボと会場のプリンスパークタワーを後にしました。

 

 

迎えた3年目は、

その口述試験対策一本に絞ることができました。

 

なぜなら、免除制度をフル活用できたからです。

 

 

つまり、2年目で短答試験、論文試験に合格している場合、

翌年は、その2つの試験が免除される免除制度にあやかれたからです。

 

 

初めての口述試験の苦い経験から、2回目は、絶対に合格してやろうと思いました。

 

受験予備校口述試験対策セミナーや、弁理士の各会派が開催する口述模試(練習会)

手当たり次第に受け、とにかく、場馴れすることにしました。

 

家では、妻に試験官役をやってもらいました。

 

問題の意味を理解できないだからこそ、

 

私が正解を言わないと、

私の回答内容が正解かどうかすら妻には理解できないので、

 

ある意味、激辛な模試に変貌を遂げていました(笑)。

 

そのかいあって、2度目の口述試験を、余裕をもってクリアすることができました。

 

こうして、都合3年で合格することができました。

 

振り返ってみると、電気通信主任技術者の資格保持が、

弁理士試験に役に立ったのかどうか、今いち実感はありませんが、

 

これによって選択科目が免除されるということを知り、

チャレンジする決心をさせてくれたという意味では、

 

電気通信主任技術者の資格に感謝しなければなりません(笑)

 

しかし、こうやって振り返ってみると、

探偵と弁理士はやっぱり繋がらないですね(笑)

 

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