探偵みたい・・・
いつもは「探偵と弁理士」について書いているこのブログですが、
某人気テレビドラマ「H沢N樹」(ほとんど言ってるW)を見ていて、
元探偵としての僕が感じたことを書きたいと思います。
※一部、想像力を駆使することで、
ネタバレになってしまう記載もあるかと思います。
これまでの放送(9月20日放送回を含む)をまだご覧になっていない方は、
この先を読み進めるにあたりご注意ください。
主人公のH沢氏が、T国航空の再建計画案を不当にリークした犯人を突き止めるために、
様々な手段を講じていくシーンを見て、
「H沢氏、探偵みたいだな~」と思いました。
それもかなり凄腕の探偵の部類です。
そこで、H氏がドラマの中で見せた探偵っぽいワザ(手法)について
書いてみたいと思います。
ワザその1
まず、再建計画案に関するメールを発信した犯人を突き止めるのに、
かつての戦友S名氏のコネクションを利用するシーンです。
S名氏の言うとおり、かなりヤバい手法ではあり、
架空のドラマだからこそ許される手法でしょうか(^^;
実際の探偵も、有力な情報を得るために、
強力なコネクションを利用することはよくあります。
ただし、この手法では強力なコネクションを持っていることが必須になります。
ここでは言えない手法もありますが、
興味のある方には個別にお話しします(^^♪
ワザその2
次に、「その1」で得た情報をもとに、
H沢氏がメールの発信元の会社M岡商工を訪れ、
不在だったM岡氏の居所を女性社員から聞き出すシーンです。
個人情報の流出にうるさい昨今、ドラマの女性社員のように、
何でも喋ってしまう人はまずいないかと思いますが、
H沢氏が電話をかけるふりをして、
あたかも誰かと話しているように演じることで、
その女性社員のほうから勝手に話してくれるように誘導する、
H沢氏の聞き込みの手法は秀逸です。
僕も、探偵時代、多くの聞き込みを経験しましたが、
H沢氏の華麗な聞き込みができていたかというと自信はありません。
でも、経験上、女性はおしゃべりな傾向があるのか(※1)、
聞き込み相手としてはやりやすいな~と感じていたことは確かです。
一方で、男性はというと警戒心が強いので(※2)、
聞き込みの相手にはしたくなかったように記憶しています💦
※1、※2:いずれも個人の見解です。
ワザその3
次に、ハイヤーに設置されたドライブレコーダーを用いて、
M岡氏から直接情報を聞き出す様子を撮影して証拠としたシーンです。
ここでは、T国航空のベテラン機長の協力のもと、
M岡氏から証言を得て、それをドライブレコーダーで撮影しています。
僕の経験では、これに似た手法として、
浮気調査においてあくまで依頼者の奥様の了解のもと、
対象者である旦那さんのマイカーに隠しカメラや盗聴器を仕掛けて、
証拠となる映像を撮影したり、音声を録音したりしたことがあります。
ワザその4
最後は、先日の第9話で、検査部のT岡さんを尾行するシーンで、
T岡さんがエレベーターで地下に向かったところ、
H沢氏がエレベーターの停止階数を確認するのに、
エレベーター乗場の上部壁面に設置されたランプをチェックした手法になります(※3)。
これは現役時代はかなり多様した手法です。
マルタイ(対象者の略)の尾行では、エレベーターの回数チェックは、
例えばマルタイの居所を掴むなどの目的を達成するための、
極めて基本的かつ重要な手法になります。
※3 ただし、エレベーター乗場に階数表示のないマンションでは上記の手法は使えません。
この場合は、マルタイと一緒に乗り込むしかありません(^^;
探偵の使うテクニックには、上記の手法以外にもたくさんあります。
機会があれば、個別にお話しします(^^♪
※※ご注意※※
探偵は業務遂行のために上記の手法を使用しています。
現在は、探偵業も公安委員会への届け出が義務付けられています。
(「探偵業の業務の適正化に関する法律」参照)
一般の方がこれらの手法を使用すれば、
法で処罰されるおそれがありますので、絶対になさらないでください※※
雑感
でも、H沢N樹を見ていた思うことは、
『やっぱりドラマだよな~、テレビだよな~』ということです。
なぜそう思うのかというと、H沢氏のように華麗に調べていくことは、
現実的にはほぼあり得ないからです。
現実は厳しいです(^^;
まず、マルタイはこちらの都合通りには動いてくれません(^^;
というか中々動いてくれません。
必然的に調査するこちら(探偵)は張込(待ち)の時間が長くなります。
トイレに行きたくなり、その場を離れると、
その間にマルタイに動かれ、見失ってしまう可能性が高くなります。
そうなったら、そこでジ・エンドです(^^;
結局、我慢するか、最悪、〇〇すかしかありません。
マルタイが動かない限りは、
隠しカメラや盗聴器を仕込んでも意味をなしません。
強力なコネクションというものも、そうそうありません。
とは言え・・・、
僕が探偵をしていた時代は、かれこれ15年以上前の話です。
ちなみに、15年前というと、2005年です。
スマートフォンの初期型(ドコモ🄬「FOMA🄬M1000」など)が出始めた頃でしたが、
まだまだガラケーが幅を利かせていたかと思います。
移動通信システムもこの頃はまだ第三世代(3G)でした。
i-phone🄬もまだ世に出ていません。
SNSもmixi🄬が主流だった時代です。
かたや現在は・・・
5G、VR、AR、自動運転、ドローンなど、革新的な技術が登場しています。
探偵業でも、これらを駆使することで、
少なくとも僕の時代のようなアナログ的なしんどさは
無くなるんじゃないかと思います。
これからの探偵は、ハイテクを駆使して
スマートに調査するのかもしれませんね(^^♪