商標登録のススメ(5)
第5回 商標登録の要件(その二)~公益性に反するもの~
千葉県の弁理士、金森です。
弁理士は、特許や商標など、知的財産の専門家です。
いつもこのブログをお読みいただき、有難うございます。
前回、識別力のない商標は商標登録を受けることができないことを説明しました。
一方で、識別力がある商標であっても、商標登録を受けることができない場合があります。
今回は、公共の機関の標章と紛らわしい等公益性に反するものは
商標登録を受けることができない、ということについて説明します。
「公益性」とは、公共の利益に関わるさま。
特定の個人や組織のみではなく広く社会一般の利益に関する様子。
「公益性のある事業」などのように言う。
と実用日本語表現辞典で説明されています。
それでは、具体的にどんなものが商標登録を受けられないのかを見ていきましょう。
(1)国旗、菊花紋章、勲章又は外国の国旗と同一又は類似の商標
例)日本国の日章旗(日の丸)、米国の星条旗など
(2)外国、国際機関の紋章、標章等であって経済産業大臣が指定するもの、
白地赤十字の標章又は赤十字の名称と同一又は類似の商標等
例)国際原子力機関(IAEA)の標章など
(3)国、地方公共団体等を表示する著名な標章と同一又は類似の商標
例)東京都交通局など
(4)公の秩序、善良な風俗を害するおそれがある商標
例)商標『KILL』、商標『仏陀』など
(5)商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれのある商標
例)商品「ビール」について、商標『〇〇ウイスキー』や
商品「菓子」について、商標『パンダアーモンドチョコ』など
(6)博覧会の賞と同一又は類似の商標
(7)商品等が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標
例)商品「自動車のタイヤ」について、”黒の色彩”のみからなる商標や
役務「焼肉の提供」について、”肉の焼ける音”のみからなる商標など
上記の(1)~(7)に列挙したような商標を出願しても、
登録は認められないので、
注意してくださいね~(^^♪