商標登録のススメ(6)
第6回 商標登録の要件(その三)~他人の登録商標と紛らわしいもの~
千葉県の弁理士、金森です。
弁理士は、特許や商標など、知的財産の専門家です。
いつもこのブログをお読みいただき、有難うございます。
前回は、公益性に反する商標は商標登録を受けることができないことを説明しました。
今回は、他人の登録商標と紛らわしい商標は商標登録を受けることができないことについて
説明します。
商標登録を受けるためには、特許庁に提出する願書に、
登録を受けたい商標を記載するとともに、
その商標を使用する商品(指定商品)やサービス(指定役務)を記載する必要があります。
商標登録がなされると、その願書に記載した指定商品や指定役務について、
同じく願書に記載した商標(登録商標)の使用を専有する権利が発生します。
事例で説明します。
ラーメン店を営むAさんは、登録商標を「Z」、指定商品を「ラーメン」とする
商標権を持っているとします。
それに対して、同じくラーメン店を営むBさんが、商標を「Z」、
指定商品を「ラーメン」とする、商標登録出願をするとします。
この場合、両者の指定商品は共に「ラーメン」で同一です。
また、Bさんの出願商標「Z」は、Aさんの登録商標「Z」と同一です。
よって、この場合、Bさんは「Z」について商標登録を受けることができません。
なぜなら、商標法では先願主義(早いもの勝ち)を採用しているとともに、
他人の登録商標と紛らわしい商標の登録を認めていないからです。
「他人の登録商標と紛らわしい」とは、
上記の例のように、商標同士が互いに同一で、指定商品や指定役務同士が互いに同一であったり、
登録商標と出願商標が似たもので、指定商品や指定役務同士が互いに同一であったり、
あるいは、登録商標と出願商標が似たもので、
登録商標にかかる指定商品や指定役務と、出願にかかる指定商品や指定役務とが似ていたり、
する場合をいいます。
つまり、「パクリ」商標の登録は認められていません。
では、対比する商標同士が似ている、似ていないをどうやって判断するのでしょうか?
次回は、その点について説明します。